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ゼロトラスト時代に必要なセキュリティエンジニアの役割

  • ObjectiveSupport合同会社
  • 1月24日
  • 読了時間: 19分


▶︎1. ゼロトラスト時代に求められるセキュリティの新常識


1.1 ゼロトラストとは?境界型セキュリティの限界から考える

「ゼロトラスト(Zero Trust)」とは、“何も信頼しないことを前提に、すべてのアクセスを検証する”というセキュリティの考え方です。ポイントは、ユーザーが社内にいるかどうかではなく、アクセスのたびに「本当に安全か?」を確かめることにあります。


従来は、社内ネットワークを安全な領域として扱い、外部との境界にファイアウォールやVPNを設置する「境界型セキュリティ」が主流でした。


しかし現在は、

  • クラウド(SaaS/IaaS)の利用が当たり前になった

  • リモートワークで “社外からのアクセス” が標準になった

  • 端末もPCだけでなくスマホ・タブレットまで広がった


といった変化により、「境界」を前提とした守り方が成立しにくくなっています。


特に境界型モデルでは、いったん“中に入った”アクセスに対しては監視・制御が甘くなりやすく、侵入

後の被害(横展開・情報漏えい)が大きくなる傾向があります。この背景から、社内外という発想ではなく「アクセス単位で管理する」ゼロトラストが必要とされるようになりました。


1.2 なぜ今ゼロトラストが必要なのか?脅威が変わったから

ゼロトラストが注目される理由は、単に“セキュリティ意識が高まったから”ではありません。従来の対策では防ぎきれない脅威が増え、攻撃の前提が変わったことが大きな要因です。


たとえば、企業が直面するリスクには次のようなものがあります。

  • 標的型攻撃(メール・SNS経由で侵入)


  • ランサムウェア(暗号化+情報公開の二重脅迫)


  • クラウド設定ミスによる情報漏えい


  • VPNを経由した内部侵入


  • 委託先や子会社など“外部”からの侵入


  • 退職者・内部不正・うっかりミスなどの内部リスク


これらに共通するのは、「侵入を完全に防ぐことが難しい」という現実です。そのため現代では、

  • “侵入されても被害を最小化する”

  • “重要なデータへのアクセスを常に監視・制御する”


という設計思想が求められています。


ゼロトラストでは、アクセスの度に以下を評価します。

  • 誰がアクセスしているか(ID)


  • どの端末でアクセスしているか(端末状態)


  • どこからアクセスしているか(ネットワーク/場所)


  • 何にアクセスしようとしているか(リソース重要度)


  • 普段と違う行動ではないか(振る舞い)


つまりゼロトラストは、「常に確認し続ける運用モデル」として、脅威の変化に適応しやすいのです。


1.3 ゼロトラストを構成する技術要素(何を揃えれば“動く”のか)

ゼロトラストは、単体のツール導入で完成するものではなく、複数のコンポーネントを組み合わせて「継続的に検証できる状態」を作る必要があります。代表的な技術要素を整理すると次の通りです。


技術コンポーネント

目的

代表例

ID管理(IAM / IDaaS)

“誰か”を統一して識別する

Entra ID / Okta / AWS IAM Identity Center / SCIM

多要素認証(MFA)

認証強度を上げる

Microsoft Authenticator / Duo Security

条件付きアクセス(リスクベース)

状況に応じて許可/拒否を動的に変更する

Entra ID 条件付きアクセス

デバイス管理(MDM / MAM)

“安全な端末”だけ通す

Intune / 準拠チェック

マイクロセグメンテーション / SDP(ZTNA)

横展開防止・通信最小化

Zscaler / Prisma Access / ZTNA

ログ統合・SIEM

検知と調査を高速化する

Azure Sentinel / Splunk / Elastic

UEBA

振る舞いから異常を検知する

不審行動の検知・自動制限


これらを「企業の業務フロー」に合わせて設計し、ログ監視・権限設計・端末準拠などを運用として回せるようにすることが、ゼロトラスト導入の成功条件になります。



▶︎2. ゼロトラスト時代にセキュリティエンジニアが果たすべき役割とは


2.1 セキュリティエンジニアの仕事と責任範囲

ゼロトラストが注目される現代において、セキュリティエンジニアの役割はこれまで以上に重要になっています。 かつてはネットワークやサーバーを守ることが主な業務でしたが、今では「信頼しないことを前提とした設計・運用」が求められるようになりました。


セキュリティエンジニアの基本的な仕事は多岐にわたります。主な業務を挙げると、次のような内容です。


  • ネットワーク・システムの脆弱性の調査と対応


  • ファイアウォールやIDS/IPSなどのセキュリティ機器の構築・管理


  • アクセス権限の管理と認証フローの設計


  • サイバー攻撃への監視・インシデント対応


  • セキュリティポリシーの策定と社員教育


この中で、ゼロトラスト時代において特に重要度が増しているのが、「ポリシー設計」と「アクセス管理の最適化」です。


たとえば、ある従業員が社内のデータベースにアクセスする場合、そのユーザーが「いつ・どこから・どの端末で」アクセスするかによって、アクセスの可否を判断する仕組みが必要です。

この仕組みを設計・運用するのが、セキュリティエンジニアの大切な役割のひとつです。


ところが、現場では次のような課題がよく見られます。

  1. セキュリティ対応が後回しになり、プロジェクト終盤で慌てて対応する

  2. 権限の設定が曖昧で、誰でも重要な情報にアクセスできてしまう

  3. セキュリティ対策が形骸化していて、実際のリスクに対応できていない


こうした問題は、セキュリティエンジニアの関与が不十分な場合に起こりやすいです。


特に中小企業や成長中の企業では、セキュリティ担当者が一人しかいなかったり、他業務と兼務していたりすることもあります。 そのため、セキュリティ設計に十分な時間が取れず、あとから重大なリスクが発覚するケースも珍しくありません。


セキュリティエンジニアは、単なる技術者ではなく「情報資産を守るための設計者」であり「リスクに先回りする戦略家」でもあるのです。


この認識が組織全体に共有されることで、セキュリティ対策は「やらされるもの」から「業務を支える基盤」へと進化していきます。


セキュリティエンジニアの責任は重いですが、それだけ組織に与える影響も大きく、やりがいのある職種と言えます。


2.2 これからの時代に求められるスキルと視点

ゼロトラスト時代のセキュリティエンジニアは、単に「守る」だけでなく、ID・端末・アクセス・ログを横断して設計できる人材が求められます。 そこで重要になるのが「何を理解しているか」だけでなく、「何を扱えるか」です。


● 現場で扱うことが多いツール・技術例

  • ID / 認証基盤

    • Microsoft Entra ID(旧Azure AD)

    • AWS IAM Identity Center

    • Okta


  • 条件付きアクセス / 認証強化

    • Entra ID 条件付きアクセス(場所・端末準拠・リスク判定)

    • Duo Security(MFA / デバイス信頼)


  • 端末・エンドポイント管理

    • Intune(MDM / 準拠チェック)

    • Microsoft Defender for Endpoint(MDE)


  • クラウドセキュリティ(CWPP / CASB / SASE)

    • Prisma Access、Zscaler

    • CASB(クラウド利用の可視化・制御)

    • SASE(ネットワーク+セキュリティ統合)


  • ログ・監視・インシデント対応

    • Azure Sentinel(SIEM)

    • Splunk

    • CloudWatch(AWS)

    • Elastic Stack


こうしたツールを“単体で導入する”だけではなく、連携させたうえで運用できる設計力が評価されま

す。 つまり、ゼロトラスト時代のセキュリティエンジニアは「技術者」であると同時に、運用と設計の戦略家としての動き方が求められるのです。


2.3 ゼロトラストの本質は「最小権限」をどう実装するか(RBAC/ABAC)

ゼロトラストを現場で成立させるには、MFAやログ監視だけでは不十分です。 重要なのは「最小権限(Least Privilege)」をどう設計するかです。


最小権限を実現する代表的な考え方が、RBACとABACです。


RBAC(ロールベースアクセス制御)

RBACは、ユーザーの役割(Role)ごとにアクセス権限を決める方式です。 例としては次のような制御が該当します。


  • 営業 

    → 見積書の閲覧のみ許可


  • 経理

     → 請求・支払い管理機能にアクセス可能


  • 管理者 

    → 権限管理・ユーザー管理を許可


RBACは管理がしやすく、BtoBシステムの基本設計として採用されやすいのが特徴です。


ABAC(属性ベースアクセス制御)

ABACは、ユーザーの役割だけでなく「属性(状況)」によってアクセス制御を変える方式です。 ゼロトラストでは、このABACの発想が非常に重要になります。


たとえば、以下のような制御が可能です。

  • 人事 

    → 個人情報へアクセス可能だが「出社時のみ許可」


  • 開発 

    → 本番環境は「申請時のみ一時的に許可(Just-In-Time Access)」


  • 全社員 

    → “普段と違う国・時間帯”のアクセスは追加認証を要求


RBACだけだと「管理者が増えすぎる」「例外権限が増える」といった問題が起こりがちです。 そのため、ゼロトラスト環境ではRBACとABACを組み合わせ、守りながら業務を止めない設計が求められます。


2.4 ゼロトラスト導入でセキュリティエンジニアに求められること

ゼロトラスト導入では、技術だけでなく運用や組織理解まで関与することが重要です。 求められる役割をまとめると次の通りです。


  • アクセス制御の設計・最適化:ユーザーや端末ごとの権限を業務に合わせて設定

  • 継続的な監視と改善:ログ分析や脅威情報に基づきポリシーを更新

  • 社内教育と浸透:社員に正しいアクセス方法やリスク意識を周知

  • リスク評価と優先順位付け:重要情報から段階的に保護し、業務効率も維持


たとえば、リモートワーク環境で、部署ごとに必要な範囲だけアクセス許可を設定し、異常アクセスを自動で通知する仕組みを導入することで、セキュリティと業務効率を両立できます。


ゼロトラスト導入では、セキュリティエンジニアが「技術者であり戦略家」であることが成功の鍵です。



▶︎3. セキュリティエンジニアが直面しやすい課題とその解決策


3.1 導入・運用でありがちな3つの失敗

ゼロトラスト導入でよく見られる失敗は、技術だけに偏り、現場や運用を無視した場合に起こります。主な失敗例は以下の通りです。


  1. すべてのアクセスを一律に制限してしまう 

    業務に必要なアクセスまで遮断してしまい、現場の反発や生産性低下につながります。結果として「例外対応」が増え、ルールが形骸化しやすくなります。


  2. ツール導入だけで完了と誤解してしまう

     MFAやSIEMなどを導入しても、ポリシー設計や運用ルールが曖昧だと効果が出ません。ゼロトラストは“継続的に検証する運用モデル”であり、導入後の改善まで含めて成立します。


  3. 既存システムとの整合性が取れないまま進めてしまう 

    業務フローや既存アプリの認証設計と噛み合わないまま適用すると、設定変更が頻発し、運用負荷が急増します。特にBtoBシステムでは、権限モデル(RBAC/ABAC)が曖昧な状態で導入すると混乱が起こりやすくなります。


対策としては、次の3点が重要です。

  • 重要システムから段階的に導入する(影響範囲をコントロールする)

  • 現場の業務フローに沿ったアクセス設計を行う(止めない・回る設計にする)

  • 運用ルールの明文化と社員教育を徹底する(例外対応を増やさない)


たとえば、経理や人事など機密データを扱う部門から導入を開始し、運用の型を作ってから開発部門や営業部門に拡大することで、混乱を防ぎやすくなります。


また、ゼロトラスト導入は認証やネットワークだけ整備しても、アプリ側(開発側)の設計が追いつい

ていないと破綻します。次章では、システム開発企業に特に起こりやすい“実装の落とし穴”を具体例とともに整理します。


3.2 システム開発企業にありがちな“実装の落とし穴”

  • APIが「認証前提」で設計されていない 

    → 認証を後付けすると、例外処理や権限漏れが増える


  • BtoBで権限モデルが曖昧(RBAC/ABAC設計不備) 

    → “とりあえず管理者権限”が乱立し、最小権限にならない


  • フロント・バックで認証/セッション管理が分離している 

    → 期限切れやトークンの扱いが統一できず、脆弱性要因になる


  • 共通ID基盤がなく、案件ごとに独自認証を作る 

    → 退職者管理・権限棚卸し・監査対応が破綻する


  • ログ出力が統一されておらず、SIEM連携できない

     → “検知できない”“追えない”状態になり、インシデント対応が遅れる


ゼロトラストは「認証だけ」「MFAだけ」で完結する仕組みではありません。開発・運用の全体で設計を揃えることが、導入の成功確率を大きく左右します。


3.3 業務現場でセキュリティエンジニアがつまずく理由

ゼロトラスト導入では、技術面だけでなく現場との調整が難しく、エンジニアがつまずくことがあります


 主な理由は次の通りです。

  • 業務フローの理解不足:現場の手順を把握せずアクセス制御を設計すると混乱

  • 権限管理やポリシーが曖昧:過剰制限で効率低下、緩すぎるとリスク残存

  • 関係者とのコミュニケーション不足:経営層や現場との認識ずれで導入が後手に


対策として、

  • 業務フローを確認して制限のバランスを調整

  • 権限やポリシーを明文化し周知

  • 定期的に現場と情報共有し改善


たとえば、営業部門で多要素認証を導入する場合、業務時間や場所を考慮して柔軟に設定すると、セキュリティと業務効率を両立できます。 技術力と業務理解の両方が成功の鍵です。


3.4 実践で役立つ失敗回避のための対策とは

ゼロトラスト導入での失敗を避けるためには、計画・設計・運用のバランスが重要です。 具体的な対策を整理すると次の通りです。


  • 段階的導入:重要度の高いシステムから順に適用し混乱を防ぐ

  • 業務理解に基づく設計:制限の厳しさと利便性を両立

  • ポリシーの明文化と周知:社員にアクセスルールやリスク意識を浸透

  • 運用改善のサイクルを回す:ログ分析やアクセス状況に応じて設定を更新


たとえば、クラウド環境で部署ごとにアクセス権限を設定し、異常アクセスを通知する仕組みを導入すれば、セキュリティと業務効率を両立できます。


ゼロトラストは導入後の運用改善が鍵であり、継続的に見直す姿勢が失敗回避につながります。



▶︎4. ゼロトラスト時代にセキュリティエンジニアが組織にもたらす価値

4.1 日々の業務でどう価値を発揮できるのか

セキュリティエンジニアは、ゼロトラストの考え方を日常業務に反映させることで組織に大きな価値をもたらせます。 具体的には以下のような点です。


  • アクセス管理の最適化:業務に必要な権限だけを付与し、効率と安全性を両立

  • 異常検知・インシデント対応の迅速化:リアルタイムでの対応で業務停止を最小化

  • ポリシーや手順の整備:社員が安心して業務できる環境を提供

  • クラウドやリモート環境の安全確保:業務場所や端末を問わず保護


たとえば、外出先からのアクセスでも、多要素認証や条件付きアクセスを組み合わせることで、安全に作業を続けられる環境を作れます。


日々の業務での小さな工夫が、組織全体のリスク低減につながり、セキュリティ文化の醸成にも寄与します。


4.2 セキュリティ文化の定着にエンジニアができること

セキュリティエンジニアは、ゼロトラストを導入するだけでなく、組織全体にセキュリティ意識を根付かせる役割も担います。 具体的な取り組みは以下の通りです。


  • 社員教育と啓発:アクセスルールやリスクを定期的に伝える

  • 運用ルールの明文化:誰もが分かる手順書を整備し、遵守を促す

  • 定期的な評価と改善:ポリシーやアクセス状況をチェックし、必要に応じて更新

  • 利便性と安全性のバランス設計:過剰な制限で業務効率が落ちないよう工夫


たとえば、部署ごとのアクセス権限を可視化し、どの情報に誰がアクセスしているかを定期的に共有することで、社員の理解が深まり、自然と安全な操作が習慣化します。


こうした地道な取り組みが、ゼロトラストを定着させ、組織全体のセキュリティ文化を育てる鍵になります。



▶︎5. メタリット合同会社が支えるゼロトラスト対応とシステム開発支援

ゼロトラストを本当に機能させるためには、認証やネットワークだけでなく、業務アプリ・基盤・ログ設計まで含めて整合性を取ることが欠かせません


とくにシステム開発の現場では、次のような課題が起きがちです。


  • 認証基盤がプロジェクトごとにバラバラ

  • RBAC/ABACが曖昧で「最小権限」になっていない

  • ログ形式が統一されず、SIEM連携が進まない

  • IaCがなく、権限が属人化する


メタリット合同会社では、こうした課題に対して “ゼロトラスト前提の設計・実装・運用” を一貫して支援し、企業のセキュリティ強化と業務効率を両立させます。


5.1 ゼロトラストを前提にした「認証・認可設計(IAM)」の支援

ゼロトラストの中核は「誰が、何に、どこまでアクセスできるか」を設計し続けることです。 メタリット合同会社では、システム開発・業務基盤の設計段階から以下のようなIAM設計を支援します。


● 具体的な設計支援例

  • 認証基盤の統一(SSO / ID連携)

    • 例:Microsoft Entra ID、Okta、AWS IAM Identity Center


  • MFAの設計と導入(利用者負担とのバランス)

    • 例:Duo Security、Authenticator


  • SCIMによるIDライフサイクル整備

    • 例:入社・異動・退職に合わせた自動プロビジョニング


認証・IDを統一することで、「プロジェクトごとに独自認証を作ってしまう」状態を防ぎ、運用コストとリスクの両方を下げられます。


5.2 “最小権限”を実現するRBAC/ABAC設計(ゼロトラストの本丸)

ゼロトラストは「最小権限」をどう実装するかが本質です。 そのため、メタリット合同会社では、開発・運用に合わせた RBAC/ABAC設計 を重視します。


● RBAC(ロールベースアクセス制御)

役割(Role)で権限を管理する方式です。 例:

  • 「営業」=見積書の閲覧のみ

  • 「経理」=請求管理機能にアクセス可能


● ABAC(属性ベースアクセス制御)

ユーザー属性や状況(属性)によって権限を変える方式です。 例:

  • 「人事」=個人情報へアクセス可能だが出社時のみ許可

  • 「開発」=本番環境は申請時のみ一時的に許可(Just-In-Time Access)


RBACだけでは現場の複雑な運用に追いつかないケースも多く、 ABACと組み合わせることで「守りながら業務を止めない設計」が可能になります。


5.3 ログ集約・監視基盤の構築(SIEM連携まで見据えた開発支援)

ゼロトラストは「侵入をゼロにする」仕組みではなく、異常を早く検知し、被害を最小化する思想でもあります。 そのため、ログ設計と監視基盤は必須になります。


メタリット合同会社では、開発・クラウド環境に合わせて、以下のようなログ集約基盤の設計・構築を支援します。


● 具体例:ログ集約・監視の設計支援

  • SIEMへのログ統合

    • 例:Azure Sentinel、Splunk、Elastic


  • クラウドログ基盤の整備

    • 例:AWS CloudWatch / CloudTrail


  • エンドポイントログの統合

    • 例:Microsoft Defender for Endpoint(MDE)


  • ログの出力形式・粒度を統一して“追える状態”にする

    • 「調査できないログ」にならないよう、設計段階から整備


ログが整うと、異常検知だけでなく、監査・事故対応・改善サイクルが回せるようになります。


5.4 開発現場でゼロトラストを崩さないための実装ポイント(落とし穴の回避)

ゼロトラストを導入しても、アプリ開発側の設計が弱いと簡単に崩れます。 メタリット合同会社では、開発時に起こりやすい落とし穴を回避する設計・実装を支援します。


● 開発現場で特に注意すべきポイント

  • APIが“認証前提”で設計されているか 

    → 後付け認証は抜け漏れ・例外処理が増えやすい


  • BtoBの権限モデル(RBAC/ABAC)が設計されているか

     → “管理者権限の乱立”が起きると最小権限にならない


  • フロントとバックで認証・セッション管理が統一されているか 

    → トークン管理の不整合が脆弱性につながる


  • ログ出力の統一ができているか(SIEM連携前提) 

    → “見えない攻撃”が発生しやすくなる


開発企業として、実装レベルでゼロトラストを成立させることが、導入成功の大きな分岐点になります。


5.5 システム開発 × ゼロトラストの具体例(設計・実装で価値が出るポイント)

ゼロトラストを「運用」だけで成立させるのではなく、システム開発の設計段階から組み込むことで、後付け対応よりも安全性と効率が両立しやすくなります。 具体的には次のような取り組みが有効です。


● ログ集約基盤の構築(運用の土台)

  • Azure Sentinel / Splunk / Elastic へログを集約

  • AWS環境では CloudWatch / CloudTrail を基盤として整備

  • 監査・調査に耐えるログ粒度と形式を統一


● APIゲートウェイでリクエスト検証(入口の制御)

  • API Gateway層で認証・認可を前提に設計

  • 署名・トークン・入力検証を徹底し、不正リクエストを遮断

  • “認証前提でないAPI”を作らない設計にする


● テスト環境でも本番同等の認証・認可を適用(抜け漏れ防止)

  • “テストは緩い権限”にせず、本番と同様に認証を通す

  • リリース後に発覚する権限漏れ・認可不備を減らす

  • 開発段階からゼロトラスト前提の品質が担保できる


このように、システム開発とゼロトラストをセットで考えることで、 「導入したが現場で崩れる」「運用負荷が増えすぎる」といった失敗を避け、持続可能なセキュリティ基盤を実現しやすくなります。


5.6 Terraform等によるIAMのコード化で「属人化しないゼロトラスト運用」へ

ゼロトラスト運用の現場では、アクセス制御や権限設定が属人化すると、次の問題が起きます

  • 誰が何を許可したのか追えない

  • 例外対応が積み重なり、ポリシーが崩壊する

  • 設定変更のたびに運用事故が起きる


そこでメタリット合同会社では、TerraformなどのIaC(Infrastructure as Code)を活用し、権限管理を“コード化”する支援も行います。 権限をコードで管理できるようになると、運用は「人の記憶」ではなく「レビュー可能な設計」に置き換わり、ゼロトラストを継続しやすくなります。


価値につながる具体例(IaCでゼロトラストを“運用できる形”に落とす)


  • TerraformでIAMポリシーをコード管理し、変更履歴を追えるようにする 

    誰が・いつ・なぜ権限を変更したのかが明確になり、監査対応や原因追跡が容易になります。


  • 権限付与・剥奪をライフサイクル(入社/異動/退職)と連動させる 

    SCIMやID基盤と組み合わせることで、アカウントや権限の棚卸し漏れを減らし、退職者アカウントの残存などを防げます。


  • 一時的な特権付与(JITアクセス)を“申請・承認・自動失効”まで設計する 

    運用で例外が増えやすい本番アクセスを、手続きと自動化で統制し、最小権限を維持しやすくします。


  • 定期的な権限レビューを“コードとログ”で実行できる状態にする 

    現場が忙しくても棚卸しを回せる仕組みにすると、権限肥大化を早期に検知し、ポリシー崩壊を防げます。


このようにIaCを取り入れることで、ゼロトラストを「導入して終わり」ではなく、継続できる設計と運用に落とし込めます。メタリット合同会社は、設計・実装・運用改善までを見据えた支援で、属人化しないゼロトラスト運用の定着をサポートします。



▶︎6. まとめ

本記事では、ゼロトラスト時代におけるセキュリティエンジニアの重要性と企業対応を解説しました。


 要点を整理すると次の通りです。


  • ゼロトラストの基本:何も信頼せずアクセスごとに検証する考え方


  • エンジニアの役割:技術者であり戦略家としてアクセス管理・ポリシー設計・運用改善を担う


  • 現場の課題:権限管理や業務理解不足、コミュニケーション不足による導入失敗


  • 組織への価値:業務効率を維持しつつリスクを低減、セキュリティ文化の醸成に貢献


  • 支援活用:メタリット合同会社のシステム開発・運用支援により、ゼロトラストを設計から定着まで支援可能


これらを意識することで、ゼロトラスト導入がスムーズになり、組織全体の安全性と業務効率を同時に向上できます



▶︎セキュリティ人材の導入から運用までトータルサポート

ゼロトラスト対応は、ツール導入だけではなく、 認証基盤・権限設計・ログ統合・運用改善まで一貫して整えることが成功の鍵です。

メタリット合同会社では、ゼロトラストを前提としたシステム設計・開発支援から、運用フェーズの改善までトータルで支援しています


 安全性と業務効率を両立したゼロトラスト環境を実現したい方は、詳細をご確認ください。




 
 
 

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